苦手分野に飛び込んでいく。並大抵の勇気でできることではありませんよね。
どちらにせよ、自分の苦手なことを自覚している時点で、あなたはとても大きな一歩を踏み出しています!私の好きな言葉に「コンプレックスは、気付いた時点でほぼ克服している。あとは解決策を見つけて努力するだけだから」というものがあります。今となってはどこで見た言葉だったか、出典が不明なのですが…。
あなたの努力を後押しとなれるよう、この記事を書いています。とは言え、私自身がお役に立てることは多くないでしょう。そのため、ライターさんにおすすめの書籍とメディアをご紹介します。
ここはひとつ、文章に長けた人たちの意見を参考にしてみませんか?出会う言葉、巡り合う文章であなたの書く記事も変わります。
基本のキを学ぶ
まずは、基本のキを学べる書籍をご紹介します。どれだけの数の記事を書いても、どれだけライターとして経験を積んでも、やっぱり基本が大切だ、と思っている方は多いでしょう。
そういう意味では、基本が書かれている本は初心者~ベテランまで、幅広い層にオススメできる書籍と言えます。
書籍①『説明組み立て図鑑』
記事は構成が大切、とはよく言われることですが、良い構成とはどのようなものなのかがわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。
“結論ファーストで書きなさい”こちらもよく聞くアドバイスですが、正直それだけではワンパターン……限界があります。
数ある「説明について解説している」本のなかでも、テンプレートの数が圧倒的に多い1冊です。「基本の3つの型」、「前提共有」の型、など「●●」の型、と題し80個もの型が紹介・解説されています。
どのようなシチュエーションで使えるか、目次を見れば一目瞭然となっていることからも著者が説明上手なことがうかがえます。「CRF法」「PREP法」などと羅列されるだけでは使い時がわかりません。まずは目次を開けば、自分のシチュエーションに合わせて型を選択できるように構成されているので便利ですね!
- 価格:1,793円(2022年1月現在 Amazon)
著者:犬塚 壮志
出版社:SBクリエイティブ
出版年:2021/11/24
書籍②『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
とても有名な1冊です。ライターさんが書く、文章講義の本。”現場”で身につけた知識を集約している、と書籍内で著者も語っています。内容もさることながら、どこから読んでもつい読み進めてしまう、リズム感が秀逸です。
実は古賀 史健さんは『嫌われる勇気』の著者の1人。読んだ方も多いのではないでしょうか。ベストセラー作家の文章論を、余すことなく学べます。
▼ご本人が「書くこと」について語っている動画もYoutubeにあがっています。少し長いですが、興味があれば視聴してみてくださいね。
- 価格:924円(2022年1月現在 Amazon)
著者:古賀 史健
出版社:講談社
出版年:2012/1/26
塵も積もれば山となる
ここからは、「文章力をあげるトレーニングをしたい!」「日常でできることはないの?」と思っている方へ向けて書籍とWebメディアをご紹介していきます。
いわば『筋トレ』をするように、日々自分を高めるためにチェックしたい情報源たちです。
書籍③『具体⇆抽象トレーニング』
今、自分がどのくらいの抽象度(あるいは具体性)の文章を書こうとしているのか自覚することが、文章力アップに役立ちます。
具体と抽象は、はっきりと区別できるものではなく、つながっています。このプロジェクトでは『主張>説明>証明>補足』を意識したライティングを目指すよう、アドバイスされていますよね。これは、抽象→具体となるように書くと実践しやすいです。
『主張>説明>証明>補足』が上手くできない…と思っている方へ、読むことを強くおススメします。
- 価格:979円(2022年1月現在 Amazon)
著者:細谷 功
出版社:PHP研究所
出版年:2020/3/19
メディア①毎日ことば
毎日新聞 校閲センターが運営するWebサイト、『毎日ことば』。
今回の記事で初めてご紹介するWebメディアです。皆さんは、自分の記事に使う言葉へも意識を回せていますか?細かいところにまで、こだわれると良いですね。
毎日ことばでは、以下のような細かい違いについての解説が簡潔かつ、わかりやすく発信されています。
- 「所」と「ところ」
- 「シャットダウン」と「シャットアウト」
- さえないのは「顔」?「顔色」?
書きながら違和感を感じたときに、すぐ調べることも大切ですが、普段から知識をストックしておくことも大切です。…ここまで読んで「あれ?」と思った方、いらっしゃいますか?細部まで読んでいただいて、ありがとうございます。私は「違和感を感じる派」です。
▲記事が更新されると、公式Twitterでもつぶやかれます。
メディア②NewsPicks
『NewsPicks』は、ビジネスパーソン向けソーシャル経済メディアです。SEOはマーケティングのひとつとして捉えられることもあるため、SEO関連の情報もたまに紹介されます。
オリジナル記事など、一部の記事の閲覧には有料会員登録が必要ですが、無料枠だけでもかなりの情報量を入手することが可能です。
自分の立場を明かした人たちのコメントを見ることができるのも特徴です。代表取締役やCEOといった立場の人たちが、どのような感想を抱くのか垣間見ることができます。これはペルソナ設定の参考資料にうってつけです。
▼アプリでも同じ内容のニュースが読めます!
書籍④『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』
企画書・プレゼン・交渉にフォーカスをあてた本ですが、文章を書くことにも通ずる知識をつけることができます。
「考えがまとまらず言葉にできない」と悩みをもつ”大くん”に、広告会社で働く”和田先生”が、メールで5日間、アドバイスをする――という流れで「言葉の力を強くする」ための25のメソッドを学ぶことができる本です。
アドバイスの内容は”少し重めの言葉遊び”といったところでしょうか。最初はちょっと負荷が大きいな、と感じるものの、クセづけばすらすらと言葉が出るようになり自分の成長を実感することができます。やさしい口調の”和田先生”のアドバイスは、「ちょっとやってみようかな」という気持ちにさせてくれます。
全部を実行するのは大変ですが、気に入った言葉遊びをクセにしてみるのも楽しいのではないでしょうか。
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著者:ひきた よしあき
出版社:PHP研究所
出版年:2019/4/30
ライターとしての自分を養う
1人の人間には、様々な側面があります。親・子・ビジネスマン・夫・妻 など…。あなたも、会社に行けばビジネスパーソンとしての自分、旧友に合えばプライベートの自分、と無意識に自分の側面を使い分けていることでしょう。
そして、ライターとして稼げるようになりたいのなら、自分に「ライター」の側面をつくることが必要です。「自分は文章を書く人間なのだ」というマインドをもつことが、ライターになるための第一歩です。
このマインドをもった次は「どんな文章を書くライターか」という定義が必要になります。ライターとしての自分を養うためにも、読書は欠かせないものなのです。
書籍⑤『読みたいことを、書けばいい』
あなたはゴリラですか
引用:『読みたいことを、書けばいい』 田中 泰延 著・ ダイヤモンド社 ・2019/6/12・1ページ
本を開いた一行目が、上記です。こんなに続きの気になる一文があるでしょうか。文章を書くための学びを得たくて開いた本の一行目が、コレ。
文章術というよりは、文章を書くときの姿勢について学ぶことが多い本です。正直なところ、読み始めは「なんてふざけた著者さんなんだ…!」と思いました。ですが、クスリと笑いながら(時には苦笑を交えながら)読み進めてしまうから不思議です。
Web上では、何がバズるかわからない時代。ライターという仕事も、常に気を張る必要はないのかもしれません。堅苦しい書籍につかれたときは、気分転換に読んでみてください。
- 価格:1,650円(2022年1月現在 Amazon)
著者:田中 泰延
出版社:ダイヤモンド社
出版年:2019/6/12
書籍⑥『アルゴリズム フェアネス』
自分のSEO記事を上位表示させることは、他人の記事を上位表示させないこと。
この事実を、意識したことはありますか?私はこの本を読んで上記の事実に気づきました。そして、より一層「生半可な記事は書けないぞ」と思うようになったのです。
いわゆるGAFA――Google、Amazon、Facebook(現Meta)、Appleの権力について考察を深めることができる1冊です。SEOに関連深いGoogleのみの話題ではありませんが、一読する価値はあるでしょう。「ライター」という情報を発信する立場の私たちは、どのようにアルゴリズムと付き合っていくべきでしょうか?
- 価格:1,650円(2022年1月現在 Amazon)
著者:尾原 和啓
出版社:KADOKAWA
出版年:2020/1/31
まとめ
文章が苦手な方へ向けて、おすすめの書籍を6冊、Webメディアを2つご紹介しました。
気になるものはあったでしょうか?もちろん、全てを見なくてもOKです。しかし、どんな文章でも読めば読むほど、書く幅が広がっていくのも事実です。
基本を学んだうえで日々のトレーニングをおこなっていけば、「自分が成長してる!」と感じる瞬間が訪れることでしょう。その瞬間は、あなたにとってとても幸福な時間として記憶されるはずです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。あなたが、自分を変えるきっかけとなる一文と出会えることを願っています。