皆さん、サイト運営・記事執筆は順調でしょうか? 今回のテーマは「ペルソナの設定方法」です。
ユーザーの満足度にも関わってくる大切な「ペルソナ」、どうやって設定すればよいのでしょうか。いきなり「ペルソナを設定しよう!」と思っても、何から手を付けていいのかさっぱりですよね。
この記事では、
- ペルソナの設定方法
- ペルソナ設定時のテンプレート紹介
- ペルソナ設定時のコツと注意点
をお伝えしていきます! 初心者さん向けに丁寧に1つずつ解説していきますね!
ペルソナの設定方法
サイト運営/記事執筆でペルソナを設定する時は、具体的に読者像を作っていきます。下記の3ステップで進めましょう!
- ペルソナの情報を収集する
- ペルソナに設定する人物を選ぶ
- どんな人物かパーソナルデータを作る
- 「悩み」や「やりたい事」などから、潜在的なニーズ・キーワードを掘り出していく
- 設定したペルソナが「正しい姿」か検証
- ペルソナの情報をシートに整理
ステップ1:ペルソナの情報を収集する
情報収集は、次の手順で行います。
- ペルソナに設定する人物を選ぶ
- どんな人物かパーソナルデータを作る
- 「悩み」や「やりたい事」など、潜在的なニーズを掘り出していく
【ペルソナとターゲットの違い】
ペルソナと似た意味のある用語「ターゲット」ですが、その違いは「情報の細かさ」にあります。ペルソナは細かい部分まで人物像を掘り下げていくのが特徴。
一方、ターゲットは「20代女性」のようなざっくりとした情報でできています。
① ペルソナに設定する人物を選ぶ
売り込みたいターゲット像に合わせて人物を選びます。顧客リストなどがあればその中からピックアップするのもいいでしょう。
・売り込みたいもの:パソコン用品
・ターゲット:20~40代の男性
の場合、
● 実際にパソコン用品売り場を訪れている客
● 自分の身の回りにいる人(家族・友人)
などの中から、ターゲット像に近い人物を探してみて下さい。
② どんな人物か、パーソナルデータを作っていく
手順①で選んだ人物に対して、どんな人物かデータを作っていきます。実在の人物なら本人にインタビューして情報を集めていくと作業効率が良いでしょう。
▼ 下記のような情報を埋めて、人物像を描き出していきます。
- 氏名
- 男性か/女性か/トランスジェンダーか
- 年齢
- 職業と、仕事のポジション・内容
- 年収
- どこに住んでいるか
- 家族の構成
- 趣味
など
・氏名:角野来太(かくの らいた)
・性別:男性
・年齢:34歳
・職業:システムエンジニア(主任)
・仕事内容:顧客の要望からシステムの設計を行う。企画の進行管理・チームメンバーのスケジュール管理もしている。
・年収:470万円
・どこに住んでいるか:東京都 中野区(賃貸マンションの1階)(職場までは電車通勤1本)
・家族の構成:一人暮らし(地方に父母がいる。都内に恋人がいる)
・趣味:映画鑑賞(休日は近所の映画館に行くことが多い)
③ 潜在的なニーズ・キーワードを掘り出していく
手順②で描き出した人物像を、さらに深めていきます。どんな「悩み」や「やりたい事」を持っているでしょうか? そこからインターネットで何を検索するでしょうか?
実際にモデルがいれば、その時々の行動や考え方を観察させてもらうのもいいでしょう。
ポイントは、表面的な悩みや希望だけではなく、その中に潜んだ「ニーズ」の存在です。悩みや希望が何を目的としているか、本人が無意識的に考えていることを探っていきます。
【たとえば…】
手順②で例に挙げた「角野来太さん」の場合、
チームメンバーをまとめる上で、スケジュール管理のストレスがある。年下の新人と打ち解けたくて機会をうかがっている。
→行動や考え方:スケジュール管理を補うためにアプリを使っている。飲み会は苦手。
→ 潜在的なニーズ:スケジュールを円滑に進めたい・部下や後輩と仲良くしたい
恋人との同棲を考えて、引っ越しを検討中。恋人の生活圏に近付けると職場が遠くなってしまうので、場所選びに難航している。
→ 行動や考え方:徒歩か電車移動が主。車は維持費がかさむので持ちたくない。
→ 潜在的なニーズ:恋人に負担をかけず、できるだけ自分も快適な環境が欲しい
平日は残業、休日は仕事の勉強や賃貸物件巡りで忙しい。息抜きしたいが時間が取りにくい。
→ 行動や考え方:スキルアップや息抜きにはお金を掛けてもいい。疲れたら映画館に行くか、DVDをレンタルしにいく。生活環境にはこだわる方。
→ 潜在的なニーズ:自由な時間も欲しい・手軽にリラックスしたい
などの人物像から、「スケジュール管理」「ストレス」「年下の部下」「コミュニケーション」「恋人」「同棲」「引っ越し」「物件」「資格取得」「自由時間」「リラックス」「映画」「DVD」「Blu-ray」といったキーワードが見えてきます。
ステップ2:設定したペルソナが「正しい姿」か検証
人物像のデータが揃ったら、続いて「正しい姿か=情報にリアリティがあるか」を振り返ってみましょう。
実在の人物にインタビューをした場合は別として、自分の想像で作り上げたペルソナの場合は「たぶん、こうだろう」という推測をもとにしている部分もありますよね。【自分にとって都合の良いペルソナ像】【自分の思い込みでイメージした人物像】になっていないかをここで確認するのです。
● 売り手側に都合のいい設定ではないか
パソコン用品を売り込みたい場合、ペルソナに「パソコン用品を集めるのが好き」「パソコン用品を買う時はお金を惜しまない」といった設定を過剰につけてしまうなど。
● イメージだけで作っていないか
「都会の一人暮らしならワンルームマンションに違いない」など、なんとなく自分の中で持っているイメージや偏見がペルソナに反映されてしまうことも。
● 実際のところターゲット層にどのくらいの割合で「こんな人物」が存在しているか
「年収1億」「ハワイに別荘がある」など、極端な設定になっていないでしょうか? 顧客リストなどがあれば、「似た条件の人がどのくらいの割合でいるのか」を調べてみるといいでしょう。
ステップ3:ペルソナの情報をシートに整理
最後に、ここまでで作ってきたペルソナの設定をシートにまとめていきます。
・家族向けのサービスを売り込みたい場合は、家族構成を深く掘り下げて記入する など
▼ シート記入例
項目 | データ |
---|---|
・氏名 | 角野来太(かくの らいた) |
・性別 | 男性 |
・年齢 | 34歳 |
・職業 | システムエンジニア(主任) |
・仕事の内容 | 顧客の要望からシステムの設計を行う。企画の進行管理・チームメンバーのスケジュール管理もしている。 |
・年収 | 470万 |
・住環境 | 東京都 中野区 (賃貸マンションの1階。職場までは電車通勤1本) |
・家族構成 | 一人暮らし (地方に父母。都内に恋人) |
・趣味 | 映画鑑賞 (映画館・レンタル) |
・悩み | チームメンバーをまとめる上で、スケジュール管理のストレスがある。 (スケジュールを円滑に進めたい) |
・やりたい事 | 年下の新人と打ち解けたくて機会をうかがっている。 (部下や後輩と仲良くしたい) |
・性格や考え方 | ・スケジュール管理を補うためにアプリを使っている。 ・飲み会は苦手。 ・維持費がかさむものは持ちたくない。スキルアップや息抜きにはお金を掛けてもいい。 ・疲れたら映画館に行くか、DVDをレンタルしにいく。 ・生活環境にはこだわる方。 |
・持っているキーワード | 「スケジュール管理」「ストレス」「年下の部下」「コミュニケーション」「恋人」「自由時間」「リラックス」「映画」「DVD」「Blu-ray」 |
ペルソナ設定のテンプレートの例【タイプ別4つ】
ペルソナ設定を書き出す際のテンプレートを作っておくと、ルーティンワークで作りやすくなります。
- ペルソナ設定シート(最後のまとめ用)
- ターゲットに合った人物を選ぶ時のテンプレート
- パーソナルデータを作る時のテンプレート
- 悩み・やりたい事・キーワードを掘り出していく時のテンプレート
の4タイプのテンプレートを一例としてご用意しました!
テンプレート① ペルソナ設定シート(最後のまとめ用)
ペルソナ設定方法の「ステップ3:ペルソナの情報をシートに整理」で使用できるテンプレートです。
項目 | データ |
---|---|
・氏名 | |
・性別 | |
・年齢 | |
・職業 | |
・仕事の内容 | |
・年収 | |
・住環境 | |
・家族構成 | |
・趣味 | |
・悩み | |
・やりたい事 | |
・性格や考え方 | |
・持っているキーワード |
テンプレート② ターゲットに合った人物を選ぶ時のテンプレート
「ステップ1:ペルソナの情報を収集する」で使用できるテンプレートです。まずは前提となるターゲットをしっかり把握するのが目的です。
項目 | データ |
---|---|
売り込みたい商品/サービス | |
ターゲット層 |
テンプレート③ パーソナルデータを作る時のテンプレート
「ステップ1:ペルソナの情報を収集する」で使用できるテンプレートです。ターゲットに合わせて選んだ人物に対して、パーソナルデータを埋めていく際に使って下さい。
項目 | データ |
---|---|
氏名 | |
性別は男性か/女性か/トランスジェンダーか | |
年齢 | |
職業・仕事のポジション | |
仕事の内容 | |
年収 | |
どこに住んでいるのか | |
家族の構成 | |
趣味 |
テンプレート④ 悩み・やりたい事・キーワードを掘り出していく時のテンプレート
「ステップ1:ペルソナの情報を収集する」で使用できるテンプレートです。ひとつ上のテンプレート③から、ペルソナが持っている悩み・希望を書き出し、潜在的なニーズやキーワードも見つけていきましょう。
項目 | データ |
---|---|
悩み | |
やりたい事 | |
持っているキーワード |
ペルソナ設定のコツ・注意点
ペルソナを考える時のコツと注意点を解説します。
ペルソナを考える時のコツ
コツはこちらの3つです!
- 身近な人をモデルに
- ペルソナのデータを通して、潜在的なニーズは何かを見つけていく
- 客観的なデータも取り入れていく
コツ① 初めは身近な人をモデルに、インタビューから始めてみよう!
最初から、細かい部分まで調査と想像で作り上げていくのは大変です。ペルソナ設定に慣れないうちは、家族や友人など、身近な人をモデルにして練習してみましょう。
これなら疑問に思ったことは本人にインタビューできますし、設定後に「合ってる?」と答え合わせすることもしやすいですね!
コツ② ペルソナのデータを通して「潜在的なニーズ」は何かを見つけていく
年齢・職業…といった項目があると、つい「正確な情報を入れなければ…!」と焦ってしまうと思います。しかし、ペルソナ設定で本当に必要なのは【潜在的なニーズ】を見つけること。
ペルソナ設定で詳細なデータを作り上げるのは、「この年齢・この生活環境の人はどんな悩みを持っているのか。潜在的な願望は何か」を見つけるための素材というわけですね。
データは大切ですが、そこからもう一歩踏み込んで「ニーズ」を掘り出すことを意識しましょう!
人間には、「ペイン(避けたい欲求)」と「ゲイン(達成したい目標)」が行動の指針になっているといわれています。
たとえば、「お金」という悩みがある場合、ニーズには「貧乏になりたくない」というペイン、「好きなことができる余裕が欲しい」というゲインの思考があるのです。
コツ③ 客観的なデータも取り入れていく
自分の主観だけでイメージすると、思い込みや偏見などから自分に都合のいい人物設定を作り上げてしまう可能性があります。結果的に「問題に気付けない」「ニーズを見落としてしまう」といったデメリットに繋がってしまうでしょう。
- ペルソナのモデルにインタビューする
- インターネット検索で裏付けを取る
- 第三者に「この設定でおかしくないか?」と聞いてみる
など、客観的な情報を取り入れることで、より正確なペルソナ設定に近付けていくことができます。
ペルソナ設定時の注意点
意外と見落としがちなのが、「クライアントの要望から外れていないか」です。
- クライアントは何を売り込んで欲しいと思っているか?
- クライアントが運営しているサイトのターゲット層は?
など
依頼を受けて記事執筆などをしている場合、クライアントにはクライアントの想定しているターゲット像・ペルソナがあることも少なくありません。
せっかくペルソナを作り上げても、要望から外れていれば無駄な作業となってしまうでしょう。円滑に依頼をこなすためにも、しっかり事前に確認しておきましょう!
まとめ
この記事では、サイト運営/記事執筆に欠かせない「ペルソナの設定方法」について、テンプレートも交えてお伝えしました。
【ペルソナ設定の手順】
- ペルソナの情報を収集する
- ペルソナに設定する人物を選ぶ
- どんな人物かパーソナルデータを作る
- 「悩み」や「やりたい事」などから、潜在的なニーズ・キーワードを掘り出していく
- 設定したペルソナが「正しい姿」か検証
- ペルソナの情報をシートに整理
具体的に読者を想定することで、「読者がどんな潜在的なニーズを持っているのか」を見つけていくのがペルソナ設定です。ぜひテンプレートもご活用下さいね!
自分の思い込みなどに左右されてしまわないように、客観的なデータも取り入れながら作り上げていきましょう! 慣れないうちは大変な作業ですので、身近な人をモデルにして練習するのもおすすめです。
正しいペルソナ設定で、あなたのサイト運営・記事執筆が上手くいきますように!